アホおやぢの「WSET Diploma の作り方」

何かの間違いで数年前に Diploma を取得しました。今は Candidate でもないのに Diploma について語ります。

D1(Wine Production)

D1(Wine Production)は栽培・醸造・熟成などについての記述式試験で、全ての Diploma 修行者が必ず一番最初に受験しなければならない科目です。
 
Diploma のコースの申し込み締め切りから3カ月ほど経ってから試験があるのですが、その間は まだ修行者の知り合いの数も少ない上に、WSET による D1 の過去問の公開、WSET による Examiners’ Report の作成がない、といったこともあり、ひとりで闇の中を手探り状態で進む修行者も多いようです。
加えて問題もやさしくはないようなので 日本人の D1 の合格率は50%を切っているとのことです。ここで Fail を喰らって殉教する人も結構いるようです。D1 に限らず Online は Feedback Test を除いてほとんど役に立たないらしく完全に無視している、あるいはついていけなかったり時間が取れなかったりして やめる人もかなり多いと聞きます。
(以前にも書きましたが、オンラインの課題は「Feedback Test」以外は完全に無視するのがよいらしいです。)

 
 
試験時間は 90分で 全部で大問が5問あり、小問に分かれているものもあるそうです。出題傾向としては栽培から約半分、醸造・熟成などから約半分出題されるそうです。Command Verb が Explain why or how 系の問題は概して難しく、配点も高いのに対し、Describe 系の問題は問題の質が色々で、中には 重箱の隅をつつくような問題も出るそうです。いずれにせよ、出題範囲は eBook のすみっからすみっまでで「枠がこみ」のコラム欄からの出題もあるそうです。
 
さて、D1 で Fail を喰らった人は、WSET のお作法に則った答案の書き方がまだ身についていない可能性大です。したがって、£150 かかりますが、WSET に Enquiry + Feedback(前述) のリクエストをすることを強烈にお薦めします。
 
 
【ひとこと】
D1の eBook は非常によくできているそうです。
D1 に限らず、新カリキュラムになってからの Diploma の試験は、eBook WSET 発行のものだけを読んでおけば十分どころかDistinction も取れると WSET は豪語しているそうですが、さらに勉強したいという方は WSET が以下の本を推奨していますので時間があればお読みください。
 
1. Oxford Companion to Wine (通称 OCW) (Jancis Robinson)
2. Grapes and Wines (Oz Clarke and Margaret Rand)
3. Viticulture - An Introduction to Commercial Wine Grape Growing (Stephen Skelton)
4. Understanding Wine Technology (David Bird)
5. Wine Science (Jamie Goode)(日本語訳あり「ワインの科学」)
(出典:Study Guide for the WSET Level4 Diploma Unit2 p2)
 
個人的な見解ですが、
1は無用の長物。2は、D3、D4、D5 全ての Theory には必須。3、4 は有名だが、アホおやぢは読んだことはありません。5も名著。でも D1 の試験対策には必ずしも役に立つかどうか…。もちろん、解脱する過程で栽培・醸造のことももっと奥深く勉強したい、という人は上述の本だけでなく、どんどん読んでいって下さい。