アホおやぢの「WSET Diploma の作り方」

何かの間違いで数年前に Diploma を取得しました。今は Candidate でもないのに Diploma について語ります。

参考書籍 および ウェブサイトなど

新カリキュラムになってからは eBook があまりにも充実しているために、それだけを読んでおけばほぼ大丈夫だそうです。アホおやぢの時代とはえらい違いです。
 
でも参考書籍を以下にいくつか挙げてみます。
これらは、Diploma をはじめてすぐに買うのではなく、必要な時が来てから購入すればいいです。焦って全部買ったはいいが殉教しては何もなりませんので。
 
【書籍】
1. Academie du Vin Step-II のテキスト(強く推奨)
天才立花峰夫さんがひとりで書いた渾身の力作。
ワイン銘醸地(国・地域)ごとに8ページくらいにまとめられていて内容も充実しているため Diploma 受験にはうってつけです。AdV の Step-II を受講しないと入手できないものですが、知り合いの受講者にお願いするなどして何としても入手してください。
 
2,「Grapes & Wines」Oz Clarke(必読)
AdV Step-II のテキストが国・地域という切り口でワインを俯瞰するのに対し「Grape & Wines」はブドウ品種という切り口でワインを見ています。主要品種ごとのブドウおよびワインがかなり詳しく書かれており、受験者は必携でしょう。(価格 5,000円弱)
 これと似た本に 「Wine Grapes」(Jancis Robinson)というのがありますが、アホおやぢは読んだことはないもののマイナーな品種にまでかなり詳しい説明がなされており、そのため本が分厚い=値段が高いので、買わないのが吉と思われます。
また、WSET のブドウ品種といえば、Level2 のテキストが思い浮かぶと思います。Caplan のほぼすべての先生が偏執狂的に進めているものです。アホおやぢも日本語バージョンを持っているのですが、Level2 のテキストを買うくらいなら「Grapes & Wines」を買った方がはるかに役に立つでしょう。
ついでに、AdV の Step-III もブドウ品種という切り口でワインを見ているのですが、これも持っておいて損はないと思います。
 
3. 「The World Atlas of Wine」Jancis Robinson(必読一歩手前)
これは日本語版を持っている人もいるかと思います。
ワインの銘醸地の地図とワインのスタイルや 6 Factor の一部が書かれています.
そして重要なのは、銘醸地ごとの主要生産者のエチケットがかかれていることです。WSET Diploma では「Commercial Awareness」も重要視されており、問題にもよります生産者名を書くと加点されます。eBook では主要生産者までは言及されていないそうなので、例えば Bordeaux の勉強をするときに、eBook とこの本を見つつ、紹介されている生産者のワインを飲みながらスタイルを知る、という勉強方法もありかと思います。
また、解脱後には生産者訪問をしたいという人が大半かと思いますので、行く前に地図を見ておくという使い方もできるはずです。(8,000円弱)
 
4.「The New Sotherby’s Wine Encyclopedia」Tom Stevenson(必読とまではいかないけれど…)
旧カリキュラムでは eBook がなく、WSET が指定していた「Oxford Companion to Wine」を受験者は読まされていたのですが、英語がわかりにくい上に 肝心の 6 Factors が書かれていないために、時間ばかり喰って得られる内容は少ないという悲惨な状況でした。そこで救世主として銘醸地ごとに 6Factors がしっかり書かれているこの本が渇望されていました。(6,500円くらい)
 
5. 「Writing Academic English」(Alice Oshima、Ann Hogue)(英語が苦手な人には強く推奨)
この本は Essay 形式の解説や、論文の書き方、簡単な英文法について書かれた200ページほどの本です。特に英語ができない方には強く推奨します。D6 の論文を書くときも参考になりますが、この本の存在すら知らずに解脱されている方もたっくさんいらっしゃるのも事実です。(3,500円くらい)
 
 
前述の通り、以前には Diploma 受験生の定番であった「The Oxford Companion to Wine (OCW)」は少なくとも解脱には必要ありません。
 
アホおやぢはこれらの本に加えて、雑誌「Decanter」を購読していました。世界で一番売れているワイン雑誌(だと思います)だけあって内容は充実しており、最先端のワイン業界情報を知るにはよかったです。
 
ワイン関係の雑誌(JSA の「Sommelier」など)なども役に立つのかもしれませんが、アホおやぢは上で紹介した本以外は全く読んでいないのでよくわかりません。ワイン業界の人で Diploma 受験している人に聞いてみるのがいいと思います。
 
 
 
【ウェブサイト】
- 小原陽子さんによる JancisRobinson.com の日本語訳 ⇒ こちら
さすがに Diploma 受験生でこのウェブを読んでいない人はモグリでしょう。
特に「Diploma受験生必読」の記事は文字通り必読でしょう。
 
アホおやぢは、上記以外に 
- decanter.com
- just-drinks.com
- wine-searcher.com
を読んでいました。
decanter.com は時々有益な情報を得ることができました。 
just-drinks.com はワインに関係ないことが非常に多く今一つの印象です。
wine-searcher は、eBook がない時代でしたので、銘醸地の情報を得たり、あるいは 特定のワインの Tasting Comment を調べたりするのに重宝しました。
 
上記以外に、
harpers.co.uk や 山本昭彦さんの wine report などを読んでいた人が多いように思います。
 
 
以上 D1~D6 全体を通して使える参考書類、ウェブサイトの一覧でした。