アホおやぢの「WSET Diploma の作り方」

何かの間違いで数年前に Diploma を取得しました。今は Candidate でもないのに Diploma について語ります。

Online Course(Online) と Feedback Test(旧 DAPs)

まず、重要なことですが、アホおやぢは Online(旧DAPsを除く) を全くせずに解脱しましたので以下に書いてあることは必ずしも正確ではないということを頭の片隅に置いてお読みください。
 
 
では、本題に入ることにします。
 
この Online というのは、以前は選択制(取っても取らなくてもよい)だったのですが、以下の通り、2021年後期からは必須になりました。
 
「WSET London本部の意向により、2021年3月8日迄のお申込み(3/27にD1試験を受験される方)を持ちまして、日本でもDiploma オンラインコースの受講が必須となります。今後Diplomaをお申込みいただく方は、オンラインコースをとらずに独学でのお申込み(試験のみ受験)はできませんのでご留意ください。」
(出典:Caplan の HP)
 
Online というと、最近はやりの Zoom による授業を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、全く違います。
 
「このプログラムは、ロンドン本校専属のチューターの指導のもと、世界各国の受験生とオンラインで決められたテーマごとにディスカッションしながら学習し、チューターの課題模擬問題の解答を提出すると添削および個別にアドヴァイスを受けられる内容となっております。」というものです。
(出典:Caplan の HP)
 
Online は1年半で完結するため、非常に速いスピードで進んでいきます。
 
具体的な online の進め方ですが、まず同じタイミングでスタートした世界中の人たちが数人からなるグループに分けられるそうです。
 
そして
a)  毎週提出する課題
b)   Feedback Test(後述)です。
が与えられるそうです。
 
「毎週提出する課題」 に対しては個人でアウトプットするものとグループの誰かが代表してアウトプットするものがあるそうです。どちらも課題が提出されると、PC上でバンバン コメントが飛び交い、チューターが時折 交通整理をすることもあるそうです。日本人のうち英語があまり得意でない人は議論についていけず見ているだけという人も多いという話です。
 
実際に Online を現在進行形でやっている人から聞いた話ですが、Online (Feedback Test は除く)は完全に無視するのが得策の様です。
理由は以下の通りです。
 
1.進んでいくスピードが速すぎて時間が捻出できないこと
とにかく毎週のように課題の提出があり、しかもその課題もかなり時間を取られるとのことでとてもじゃないが仕事をしながら Online の相手をしている暇はないとのことです。
 
2.Diploma の試験対策としては全く役に立たないこと
残念ながらOnline の課題は Diploma の試験に全く関係のないものやMWの試験並みの難度のなどが大半を占めるとのことで実際の試験対策に関するものはほとんどないとのことです。時間ばかり取られるのに試験対策にもならないとなるとやらないという選択肢が正解だと思われます。
 
3.Online のスケジュールが試験とシンクロしていないこと
Online は D1 → D2 → D5 → D6 → D3 の順で進んでゆきます。(D6の論文は Online のプログラムには組み込まれておらず、各自好きな時期に提出するようです)
上記から推察されるのは、D1 Online 開始 → D1 試験 → D2 Online 開始 → D2 試験 → ・・・のように進んでいくものだと思われそうですが、実際は、D1 Online → D2 Online  → D1 試験 → D4 Online  → D2 と D4 試験 →  D5 Online  → D5 試験 → D3 Online → D3 試験 というように進んでいくそうです。
D1、D2 については、Online と試験がシンクロしていないため、特に時間管理の点で厳しいとのことです。
 
上記の理由で アホおやぢが知る限りにおいては、この Online の講座を評価する人は皆無です。(それでも Online を完結する人はいるわけでこのような人は例外なく短期間で解脱しているのですがごくごく少数です。)
 
アホおやぢは、旧カリキュラム対応の「トイレの落書き」というブログで「Unit3(現 D3)以外は Online をするのはやめましょう!」と書いており、これを読まれた多くの方が Online をせずに解脱されていることからも Online Programme をすることがいかに時間の無駄であるかがよくわかると思います。
 
★★★
 
次に Online に付随する Feedback Test について述べます。 
回数は Unit によって違いますが、これを提出するとチューターがその答案に対して Feedback をくれた上に、100点満点で点数をつけたものが1週間ほどで返ってくるのに加え、他の人の答案を見ることができるそうです。ただし、期日までに課題を出さないと他の人の答えは見られなくなるそうです。
自分の答案の良しあしを知ることができる上に、他の人の答案も参考にできるので Online の課題は無視しても、Feedback Test だけはまじめにやりましょう。
 
なお、このチューターには MW の人もいるそうですが資質にはかなりばらつきがあるようで、悪いチューターに当たるとまともにフィードバックをくれなかったり、自分がいかに偉いかを喧伝するかのようなコメントを書いたりする人もいるそうで、このあたりは運もありそうです。
 
★★★
 
さて、気になるお値段ですが、
 
はじめて Diploma に申し込むときに
登録料(Online テキスト代を含む)55,000円(3年間有効:3年経つと3年毎に 22,000円が必要になります)とOnline 受講料 264,000円 が、かかかります。(他にも D1 受験料と Tutorial 受講料がかかりますが、ここでは割愛、後述)
 
実際初めて見ると、まさに鬼のようなスピードで Online は進んでいき、また実際の試験にほとんど役に立たないとのことなので日本人はどんどん Online をやめる人が出ていくそうです。それに追い打ちをかけるように、最初の試験である D1(栽培・醸造その他)の試験の日本人合格率は5割を切っているそうで、もし D1 が不合格の場合、D1 の再受験に向けての受験勉強と他の科目の Online を同時並行で進めなければならないという状態になり、ここでまた Online をやめる人が大量に出るそうです。
 
さて、ある科目で Fail を喰らった場合、殉教しなければ re-sit(再受験)になるのですが、もう一度その科目の Online をしたい場合の費用は以下の通りです。
 
D1: Wine Production  49,500円
D2: Wine Business  49,500円
D3: Wines of the World   132,000円
D4: Sparkling Wine  49,500円
D5: Fortified Wine  49,500円
D6: Independent Research Assignment  なし
 
Feedback Test についてのお値段は以下の通りです。こちらの方は、再受験組には需要がありそうです。
 
D1 - 13,200円(3回分: Feedback Testが3回受けられるということです)
D2 - 13,200円(2回分)
D3 - 55,000円(Tasting 3回分、Theory 10回分)
D4 - 16,500円(Tasting、Theory とも回数不明)
D5 - 16,500円(Tasting、Theory とも回数不明)
 
アホおやぢが受験していた時は Online 必須でなかったので自力ではどうしようもなさそうな D3(当時は Unit3)の DAPs だけを受講したものの Tutor に恵まれずほとんど効果がありませんでしたが、Tutor に恵まれた人によると大変ためになったということです。
 
2021年9月以降は Online 必須になってしまうのでほとんど役に立たないと言われている Online への出費はWSET本部へのお布施と考えるしかなさそうです。