アホおやぢの「WSET Diploma の作り方」

何かの間違いで数年前に Diploma を取得しました。今は Candidate でもないのに Diploma について語ります。

D5(Fortified Wines)Tasting

ここでは、D5(Fortified)の Tasting についてみていきましょう。
 
まず、この Fortified Wines ですが、好き嫌いがはっきり分かれます。それも 好き2:嫌い8 くらいではないでしょうか?(旧カリキュラムでは 究極の嫌われ者 Spirits というのがありましたが Fortified はそれよりましと思われます)
好きな人は頻繁に飲んでいるし、ワイン業界にいる人でも全く飲まないという人もかなり多くいるようです。
 
 
では、中身をじっくり見ていきましょう
 
まずは問題をよく読みましょう!
 
大抵は、"Wines 1-3 relate to D4 of the WSET Level4 Diploma in Wines.  Describe them under the headings below." で始まっています。
 
久しく Common Link が出題されていませんでしたが、2016年6月に same region で、Ruby port/Tawny port/Vintage port が出題されました。
上述の Common Link は、問題文に Common Link である旨が書かれているもののことで問題文に書かれていない「隠れ Common Link」はあり得ます。
2012年6月(隠れテーマ「Sherry」)Amontillado/Fino/Oloroso
2013年3月(隠れテーマ「Port」)    Tawny port/LBV/Vintage port
2019年3月(隠れテーマ「Port」)    Ruby Port/Tawny Port/Vintage Port
 
 
D5(Fortified)についてだけは、category と style within the category との違いをしっかり頭に叩き込んでおいてください。Port を例にとると、category は Port なのですが、style within the category を訊かれて Port とだけ答えると1点ももらえません。
10‐year-old-port, 20-year-old-port, LBV, Ruby port, Vintage port, White port のいずれかが category になりますのでこれを答えなければなりません。
 
 
さて、ここで 2005年10月以降に出題されたワインを見ていきましょう。
 
Sherry
‐ Fino 7回
‐ Manzanilla 6回
‐ Amontillado 14回(VORS 1回)
‐ Oloroso 7回(12-year-old 1回、15-year-old 1回)
‐ Pale Cream 2回
‐ Cream 7回(VORS 1回)
‐ PX 6回
 
Port
‐ Tawny?(ERには Tawny としか書かれていません) 4回
‐ 10‐year-old-tawny 10回
‐ 20-year-old-tawny 7回
‐ LBV 4回
Ruby 7回
‐ White Port 2回(2011年6月が最後の登場)
 
Madeira
‐ Sercial 7回(Henrique & Henrique 3回、10-year-old 6回)
‐ Verdelho 3回(Henrique &Henrique 10-year-old 1回、Henrique & Henrique 15-year-old 1回)
‐ Boal 3回(10-year-old (2015年6月登場)、15-year-old (2008年11月 + 2019年10月登場))
‐ Malvasia 6回(10-year-old 3回、Henrique & Henrique 15-year-old 3回)
‐ Tinta Negra 2回(2013年11月登場)
 
Rutherglen 9回
 
VDN
‐ Maury 10回(VT 7回)
‐ Banyulus 1回
‐ Mascat-Beaume-de-Venise 10回
 
Mavrodaphne 1回(旧カリキュラムでギリシャが入っていたことによる)
 
【ひとこと その1】
WSET は Henrique & Henrique が好きなようですが、残念ながら日本には未輸入の様です。
 
【ひとこと その2】
VDN が出題されたら style within the category は Maury 一択です。
 
【ひとこと その3】
ER を見ていて思ったのですが、VDN はいいとして Rutherglen Muscat も毎回と言っていいほど違う銘柄が出題されています。Rutherglen Muscat なんてそんなにたくさん生産者がいるものなのですね。それはさておき、VDN も Rutherglen Muscat も 生産者が違えば当然 品質評価も異なってくるはずなので、しっかりそれができるようになっておきましょう。
 
 
さて、Fortified の Tasting の勉強方法ですが、関東近辺在住の人に限られるのですが、以下のお店が Diploma 修行者御用達のお店で、ANP はいうまでもなく、製法やそれによる味わいの違い、果ては品質評価まで教えてくれるそうです。もちろん関西在住のアホおやぢは行ったことがありませんが。
もちろん他にもこのようなサービスをしているお店はいくつかあると思いますが、アホおやぢがきいたのは以下の3店です。
(リンクがうまく貼れていなければごめんなさい…)
 
Sherry
しぇりークラブ
 
Port
バーカヴェルナ
(2021年11月より四谷へ移転予定)
 
Madeira
マデイラエントラーダ
 
Rutherglen と VDN が抜けていますが、これらは自分で購入するしかなさそうです。
 
Rutherglen は日本では Chambers Rosewood しか手に入りません。
 
VDN は Muscat-Beaume-de-Venise は手に入りますが、Rivesaltes は入手可能なものの、Maury は手ごろなものはなかなか手に入りません。ただ、私には Rivesaltes も Maury も Banyulus も区別がつかないので 安めの Rivesaltes で「VDN ってこんなワインなのね~」と思うだけでも十分価値があると思います。
 
 
Fortified の Tasting は普段飲みなれていないので 難しいと感じる人が多いようですが、Still Wine の Quality Assessment と Bottle Ageing が書けるようになっていれば Fortified にも応用がきくと Tasting にたけた人は言っていました。要するに B-L-C-E に当てはめて評価をするところは全く同じだそうです。